料理人になるなら専門学校にいくな!

いつもブログをご覧頂き
ありがとうございます。

全日本出張シェフサービス協会
代表理事の内田です。

タイトルは少し過激になりましたが
結論から言うと料理人になりたいなら
専門学校に行く必要はありません。

学校を卒業して就職した
私の経験もふまえ、

周りの料理人の感想を考慮しても、
もし戻れるなら専門学校に通うという
選択はしていません。

今、この記事をご覧の方は
料理人を目指している方、
もしくは専門学校にいこうか
悩んでる方だと思います。

実際に料理人になるためには
専門学校に行くしか方法がないと
この業界の常識になっていると思います。

では、本当に専門学校に行かないと
料理人になれないのかというと
そうではありません。

むしろ専門学校に行くと
遠回りになってしまうのです。

一般的な料理人を目指す2つの方法とは?

調理師学校

ほとんど方が
これから紹介するいずれかの方法で
料理人を目指します。

方法その1:調理課のある高校へ進学

義務教育後に最初に選べる方法として
高校進学時に調理課があり調理師免許が
取得できる高校へ入学する方法があります。

3年間の高校生活を終えれば
高卒認定がもらえ、卒業後には
料理人として就職することも可能です。

但し、知識は得られても
本格的な技術はここでは得られません。

なぜなら調理師学校に比べてみても
調理関連以外の勉強の時間が
圧倒的に多いからです。

一般的な高校と同じように
オールジャンル学びます。
そこに加えて調理技術や知識を学ぶのです。

この方法を選択する人の多くは
親の店を継ぐことが決まっている方や
就職先が既に決まっている方など
既に卒業後のビジョンが決まっている方が
選択する方法です。

高校進学してみて
夢が変わるかもしれない。

などという方は
中学時代に料理人になりたいと
思っていても、高校だけは進学しておいて
もし、違う道を選んでも、その道に進むことが出来るように
保険をつくる意味でも、高校卒業後に専門学校に進学する
という選択肢を選びます。

方法その2:調理師専門学校へ進学

もっとも一般的である
調理師専門学校へ進学する方法です。

そもそも調理師専門学校とは何でしょうか?

簡単にいうと車の免許学校みたいなものです。
卒業すれば調理師免許を取得出来る学校です。

1年制と2年制がありますが、
中には免許が取れない学校もあります。

調理師免許を取得して
飲食業界に就職したいという人が選ぶ学校です。

調理師学校のメリット

料理人

どのような学校か説明したところで、
次にメリットからお伝えしていきます。

メリット1:卒業すれば調理師免許を取得出来る

これが最大のメリットだといえます。
調理師免許の取得の方法は2通りしかありません。

まず一つ目が調理師養成施設(専門学校など)に
1年以上通って卒業する方法。

そして二つ目が中学校卒業後
2年以上給食施設、飲食店、魚介類販売業、
そう菜製造業等で調理の業務に従事することを
受験資格とし、都道府県知事が実施する
試験を受ける方法。

この2パターンです。

学校に通えば2年以上の実務経験という条件を
クリア出来るため、どうしても早く欲しいという方は
1年で取れる学校を選んだ方が良いのがわかります。

メリット2:和洋中オールジャンル学べる

1年目は和洋中全ての調理を学びます。

2年制の場合は2年目からジャンルを選択して
授業を受ける形になります。

また、調理師学校は調理実習をメインに
授業が行われていると思われがちですが、
実は座学の方が圧倒的に多いです。

栄養学であったり、衛生学であったりと
調理師に関連した知識を学んでいきます。

メリット3:短大卒の経歴に

卒業すれば「短大卒」と同じ経歴扱いになります。
中卒、高卒という経歴が嫌なのであれば
経歴目的で入るのもありなのかもしれません。

調理師学校のデメリット

悩む料理人

ある程度メリットをお伝えしたところで、
次に本題であるデメリットをお伝えしていきます。

デメリット1:調理技術は現場レベルにはなりません

何で?と思われる方もいるかと思いますが、
実際のところ、私も学校で学んだスキルは
全くといって良いほど、就職してから
活かされたものはありませんでした。

幅広く色々なメニューに触れて
引き出しを増やすという意味では、
ある意味良い経験とも言えなくはありませんが、
レシピ本を買って自宅で毎日自炊してみる方が、
よっぽどスキルは上達すると思います。

デメリット2:調理師免許は必要ない

そして最大のデメリットとして
料理人になるために調理師免許は必要ないということです。

これは就職に対して優位になる事もありませんし
将来、独立を考えている場合でも、
レストランを開くのに
調理師免許は全く必要ありません。

ふぐ調理師の資格が欲しいという方は
調理師免許を持っている事が条件になるので

必要な資格とも言えますが
それを必要としていないのであれば
意味のない肩書きの一つにしかなりません。

というのも、調理師免許を取るための試験は学科のみです。
なのでスキルを証明するものでもありません。

通信講座でも学ぶことが出来る内容で
勉強すれば誰でも取得出来る資格です。

一応、受験資格として調理師専門学校に入るか
2年以上の実務経験があることとなっていますが
実務経験とはレストランなどでバイトしていればOKとなります。

そんな資格のために1年間無駄にするわけですし、
なにより当然授業料が掛かってきます。

専門学校へ進学した場合

学習期間 1年
入学金 ¥250,000
教育充実金 ¥70,000
授業料 ¥1,090,000
実習費 ¥730,000
合計金額 ¥2,140,000

 
学校によって金額は大きく変わりますが
最短の1年制でもこれだけのお金がかかってきます。

有名校であれば2倍以上のお金が
必要になるところもあります。

単純に料理のスキルを上げたいなら、
現場に出て1ヶ月もすれば専門学校レベルは
遙かに超えるスキルが身に付いているはずです。

スキルもセンスも現場に出てから磨かれていきます。
学校ではスキルは多少アップしてもセンスは磨かれません。

どうしても肩書きが欲しければ
現場に出て2年してから試験を受ければ取得出来ます。

もしくは学生中に飲食店で
バイトを2年間していれば取ることも可能です。

受験資格が認められる条件をご紹介しておきましょう。

・国からから許可を受けている施設
(飲食店営業、惣菜製造業、魚介類販売業)で、
 満2年以上勤務すること
・給食センター(学校や病院、工場や企業など)や
 給食施設、寮などで、継続的に20食以上か
 1日に50食以上を作ること
・アルバイトやパートとして、
 週4日以上かつ1日6時間以上働くこと

飲食店であれば、個人経営の小さなお店から
ファミリーレストランまで、どのような店でも問題ありません。

また、「A店で1年半、B店で半年働いた」などのように、
複数の店で働いた場合でも、合わせて2年間になれば
2年間の実務経験として認められます。

その際は、それぞれのお店に
実務経験証明書への印を押してもらう必要があります。

逆に受験資格が認められないパターンもご紹介します。

・食品衛生法の営業許可を
 受けていない施設で調理を行っていた期間
・飲食店勤務でも、調理担当では無かった場合
(ウェイトレスやウェイターなど)
・パートやアルバイトとしての勤務だった場合
(ただし、継続して週4日以上かつ
 1日6時間以上勤務している場合は認められる)
・パンやデザート類しか製造していなかった場合
・企業や研究室で食品開発のために、
 調理業務を行っていた場合
・栄養士、保育士、看護師などの職種で、
 調理をしていた期間
・料理学校、教育機関などで、
 教師や講師として指導を行っていた期間

パートやアルバイトの時間が短い、
調理の指導、無許可の飲食店での勤務では、
どんなに長年勤めていようとも
「実務経験」とはみなされません。

営業許可のあるレストランなどでに就職すれば
現場に出てからも取得は可能です。

逆にパートやバイトでも
働き方で受験資格が認められれば
専門学校のようにお金を払って取得するのではなく
お金を稼ぎながら取得する事が可能です。

最後に現役の料理人がお勧めする
料理人になるための、3つ目の方法をお話します。

料理人を目指すなら最初から現場に出るべき

出張シェフサービス

もちろん、学生生活は楽しいものですし、
それを理由に学校に行かれるという方はそれでも良いと思います。

ですが、その為に数百万円払って
現場に出てみたら全く通用しないスキルしか持っていない
となると、やはりもったいないとしか言いようがありません。

「スキル・知識を早く身につけたい!」

「料理人として有名になりたい!」

「稼げる料理人を目指したい!」

というように。将来料理人としてのビジョンを
しっかりと描けているのであればならなおさらです。

早く現場に出てスキル、センスを
磨いた方が100倍は夢に近づけます。

もっと早く、この事に気づけるチャンスがあれば。。。

本当にそう思います。

ちなみに就職についても
学校に入ったからといって、
希望通りの場所に就職出来るわけではありません。

私の場合は学校に就職案内も来ていなかったので
自ら調べて面接を受けに行きました。

転職雑誌のような情報が
廊下の壁に貼られて、希望の条件の場所に
面接を受けに行くだけです。
学校は何も保証してくれません。

料理人を目指すのであれば
学校ではなく、料理人として
学ぶべきことが全て揃っている
現場を選びましょう!!

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内田 裕介

内田 裕介

帝国ホテルで10年勤め出張シェフとして独立。 全国対応の高級出張シェフサービス総料理長として活動中。 ハイクオリティーなサービスを提供する出張シェフを増やし、このサービスをさらに広めるべき、一般社団法人全日本出張シェフサービス協会を設立し代表理事となる。

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